〈 基 本 理 念 〉
一般社団法人 津山青年会議所
第61代 理事長 北村 暢宏
我々は、青年と呼ばれる限られた時間の中でJCを行っている。いや、行わさせていただいている。我々がJAYCEEとして成長し、つやまに活力を与えるJC運動・活動を行っていくために、家庭・職場など、様々な場で多くの人が我々を支えてくれている。なぜJCをしているのか、今一度自分自身と向き合おう。そしてその答えを導きだし、自らを律し、変革の能動者として次代を切り拓いていこう。
日本で最初の青年会議所ができたのは、終戦の混乱冷めやらぬ1949年のことです。戦争の傷跡がまちにも人々の心にもまだまだ深く残る中、「新日本の再建は青年の責務である」という志を同じにする青年達によって産声を上げました。青年達のその熱き想いは、静寂に包まれた水面に落ちた一滴の雫の如く日本全国に拡がっていきました。そして我々の暮らす地域にその運動が興ったのは1958年のことです。本年に至るまで465名の先輩方がまちを想う心や情熱を糧にその歴史を紡いで来られました。その時代に求められていたことに対して、我が身を投げ打ち一生懸命取り組まれてきました。そして、連綿と受け継がれてきたその歴史も昨年、創立60周年という大きな節目を迎え、本年は61年目という新たな一歩を踏み出す年となりました。変わりゆく社会情勢の中、時には柔軟に、しかしながら護るべきものは護り、創始の想いを忘れることなく次代に継承していかなければなりません。
日本が国として歩みを始めてから現在に至るまで、我々の祖先はその時代ごとにおいて様々な国難と対峙し、また乗り越えてきました。現代日本における喫緊の問題・課題としては、少子高齢化、またそのことに起因する社会保障費の増大を背景にした国家財政の逼迫化、また軍事的挑発を繰り返す近隣国家に端を発する混沌とする東アジア情勢など、数え上げればきりがないほど多くの問題・課題が山積しています。今一度、我々一人ひとりが一日本人として国の将来を憂い、行動に移していかなければなりません。しかしながら「言うは易く行うは難し」という言葉の通り、行動に移していくには様々な障壁があります。そして、その障壁の多くは自分自身の内面に潜む甘えだと考えます。我々、青年会議所会員は地域におけるオピニオンリーダーとして、これまで以上に様々なことに興味をもち、人としての幅を拡げていかなくてはなりません。そのためにも自分自身としっかりと向き合い、できない言い訳・理由ではなく、行動するための強い精神を身につけなければなりません。考えるだけでは何も変わりません。行動に移して初めて何かが変わるのです。まずは自分自身を変えていきましょう。
我々の暮らす津山圏域は、その周辺を勇壮な中国山地と美しい吉備高原の山並みが囲み、中央には豊かな水を我々に与えてくれる吉井川をもつ、気候風土に恵まれた天災の少ない住みやすい地域です。またその歴史においても出雲街道の要衝として古くから栄え、中世においては森忠政公がこの地に入封し、鶴山(つるやま)に城郭を築いてからはその城郭を中心として繁栄してきました。そのような豊かな自然と歴史に恵まれたこの地域からは、多くの傑人が生まれ、近代日本の政治・経済・文化といった、様々な方面で活躍する人材を輩出してきました。そのような中、我々(一社)津山青年会議所においても、その歴史の中で行政、地域における様々な団体と連携し「自分たちのまちは自分たちで創る」という気概をもつことのできる人財を創るためのまちづくり運動を先導してきました。その中でも、津山城跡をまちのランドマークとして位置付けて行ってきたまちづくり事業は、その中核をなすものです。過去、現在を見つめ、またこれから先の未来を見据え、これから先このまちに何が必要であるかを我々自身が考えていかなければなりません。
また我々はこの地に住まう大人として、このまちの将来を担う子供たちを護り、育てていかなければなりません。しかしながら、合理化という言葉を利己的に解釈することに起因する地域との連携の放棄によって、地域コミュニティーの弱体化が起っています。その結果、一番の犠牲者になるのは子供たちです。義務教育課程における学級崩壊、いじめ、不登校、教育間格差、また時にはその尊い命が失われることさえあります。我々大人の存在意義を今一度、我々一人ひとりが考えましょう。そのことが自分自身の行動を見つめ直し、行動に移り、家庭から地域へとより範囲を拡げていくことで、子供たちがより一層の道徳心をもった大人へと成長していくことに繋がると考えます。
我々の行うJC運動・活動をより効果的に地域に伝えるには、一人でも多くの同志が必要です。しかしながら年々会員数は減少しています。その理由として、かつては価値観の多様化、長引く経済不況ということが要因であると考えられてきていました。しかしながら問題の本質は、組織としての閉塞感があり、その意識がメンバー間にも漂っていることです。メンバー全員が同じベクトルで目標に向かって行動していくことのできる組織を作るために、変えるべきものは変え、護るべきものは護り、今まで以上の逞しい(一社)津山青年会議所を築き上げましょう。そうすることでより魅力的な組織となり、自ずと会員拡大に繋がり、さらに強固な組織となっていきます。
本年、(一社)津山青年会議所は創立から61年目を迎えます。暦の上でも節目となる還暦(60年)を越え、新たな時代の幕開けともいえる時期になりました。しかしながら我々を取り巻く環境は決して楽観できる状況ではありません。地域におけるJCとして何ができるか、地域に住まうJAYCEEとして何をしなければならないかを今一度考え、一人ひとりが行動に移すことのできるJC運動・活動を今まで以上に推進してまいります。
【自己に打ち克つひとづくり】
我々JAYCEEはなぜ青年会議所に所属しているのでしょうか。仕事のため、仲間づくりのため、各人各様に理由はさまざまです。しかし第一は自分自身の成長のためではないでしょうか。ひとは、ひととの中でしか成長することはできません。一人ひとりが自分自身の器を大きくし、磨き上げていきましょう。甘え、誘惑、できない理由を考える前に、どうやったらできるかを考えましょう。そして考えるだけでなく、行動に移しましょう。その時は苦しくても、いつか必ず自分自身の成長に繋がります。
【自己を拡げるまちづくり】
我々JCの地域における存在意義は何でしょうか。その時代に合わせて、まちに住まう人々のために、何が求められているかをしっかりと調査・研究し、何事にも縛られることなく即座に対応することのできる若さと行動力を兼ね備えたかけがえのない自主・自立した組織だと思います。まちのことを自らのこととしてとらえ、まちのために何ができるかをより深く考えましょう。そうすることで自分自身のひととしての幅が拡がり、我々一人ひとりの成長があって初めてまちの活性化に繋がります。
【自己を成長させるJCづくり】
JCという組織の中に「いるだけ」では何も得るものはありません。大切なことは、一人ひとりが組織としてどのような組織であるべきかを常に考え、時代に合わせて変えていくべきところは変えていき、護り続けていくことはしっかりと後世に伝えていくことです。その中でしっかりと仲間同士で議論し、お互いを高めあいましょう。そうすることで自分自身の成長を実感し、地域を牽引していくことのできる組織となり、一人ひとりが新たな仲間を求めて積極的に同志を増やしていくことに繋がります。自己成長、地域活性化のためにも、より逞しい組織を築き上げましょう。
〈スローガン〉
克己 おもしろきこともなき世をおもしろく、すみなすものは心なりけり
〈基 本 方 針〉
創立60周年を機に新しく定められた中期ビジョン【誰もが夢と誇りをもつまち“躍心するつやま”の創造】60ビジョンを道標とし、これまで積み重ねてきた歴史・伝統を護りながらも、今の時代に合わせた真に地域社会に必要とされる組織となることを目指し、我がまち「つやま」を牽引するために、メンバー一人ひとりが自己の成長を図り、未知なる可能性に挑戦し続けることで、真にこの地域に必要とされる組織となるためのJC運動・活動を行ってまいります。
〈運 動 方 針〉
- 自己に打ち克つ厳しいひとづくり
(自利でなく利他の精神で地域のことに取り組むまちづくり) - 自己を拡げる楽しいまちづくり
(地域がひとつになり、心と心がつながるまちづくり) - 自己を成長させることのできる逞しいJCづくり
(自己成長しつやまの未来を考えることのできるJCづくり)