〈基本理念〉
一般社団法人 津山青年会議所 第59代 理事長 菅田 拓平
1949年、戦後の物質的にも精神的にも荒廃していた時、「よりよい社会」を築きあげようと、日本で初めての青年会議所が東京に立ち上がりました。その運動は全国に輪を広げていき、先輩方の確固たる想いと情熱のもと1958年に津山青年会議所が誕生しました。それから59年目を迎える本年、私たちは先輩方が築いてこられた歴史・伝統・信頼、そして想いや情熱をしっかりと継承し、10年後、20年後のあるべき姿を考え、力強く行動していかなくてはなりません。
現在、少子高齢化が問題となり、さらに社会保障費の膨らみが国家、地方の財政を圧迫しています。公職選挙法が改正され、1945年以来70年ぶりに参政権が20歳以上から18歳以上に引き下げられ、2016年夏の参議院選挙より実施される予定となっています。これは、膨らみ続ける社会保障の問題に高齢者のみでなく、若者の意見を政治に反映させ、投票率の低下に歯止めをかける意図があります。そのためには政治に対する意識を高め、教育を拡充する必要があると考えます。また、領土・領海問題は、国民の安全と国土を守るために、国民一人ひとりが過去と現状を学び当事者意識を高めなければなりません。私たちは津山圏域に住み暮らす中で、一日本国民として、青年経済人として広い見識をもつことが求められています。
阪神淡路大震災、東日本大震災という二度の甚大な災害に見舞われた中で表れた、日本人が美徳としている利他の精神はこれからも継承していかなければなりません。相手を思いやる心や、人と人とのつながり、地域のコミュニティはこれから一層大切になっていきます。一方で、悪質な犯罪や変質的な事件を起こす人が絶えません。物質的な豊かさを求め、個々の権利を尊重するあまり、人と人との直接的なつながりが薄れ、興味の無いことには見向きもせず、利己的な考えをもち、社会との関係を失う人が増えているからかもしれません。こうした大人たちが増えれば、未来を担う子供たちに一層顕著に影響があらわれ、学級が崩壊し、いじめ問題も深刻化していきます。だからこそ私たちは、社会において信頼される大人として子供たちに、優しさ、誠実さ、謙虚さ、思いやり、感謝の心、時には耐え忍ぶことの大切さを伝えるために、まずは自らを律して行動していきます。そして、子供たちを家庭だけでなく地域社会で育てていくことで、人と人とのつながり、心と心のつながりを大切にし、生き抜く力をもち、他人を思いやる人となると考えます。
私たちの暮らす津山圏域は、中国山地の美しい山並みに囲まれた、気候風土に恵まれた地域です。そして、出雲と播磨を結ぶ出雲街道による東西の交流、吉井川による南北の交流により古(いにしえ)より美作国の中心として、また津山城を中心とした城下町として栄えた歴史溢れる地域です。この地域の歴史とは、過去から現在に至るこの地域に住み暮らしてきた人々の営みから生れてきているのです。私たちは先輩から受け継いできた地域の人や他団体とのネットワークを生かし、共に知恵や力を出し合うことで、これからもまちの個性や文化を学び、伝えていきます。この歴史の上に、私たちは「自分たちのまちは自分たちで創る」という気概をもち、地域の魅力を再発見し、愛着と誇りをもてる人を創造していきます。
津山青年会議所は2017年に創立60周年を迎えます。2016年度は感謝の心・感動の輪・豊かな感性の三感を大切にし、私たちを育ててくれた「地域」、共に汗を流す「仲間」、送り出してくれている「家族」、「職場」に恩返しが出来るよう、自分自身に修練を課し、20年後の活力ある「つやま」を夢描き、一体感をもち、未来へ向かって力強く行動してまいります。
【感謝を育むひとづくり】
青年会議所には青年経済人として、地域のオピニオンリーダーとして、個人の資質を向上させる機会が用意されています。しかしながら、その機会は待っていても与えられるものではなく、自らが積極的に学びとり、成長に繋げる意志と行動が無ければ得られません。また、その機会は人との出会いの中や、事業を通じて、また様々な運動・活動の経験から得ることが出来ます。青年会議所は仕事も価値観も異なる人が集まり、知識や意見を交換し、時には想いや意見の相違からぶつかり合う時もあります。だからこそ、互いに思いやる心と相手を敬う心を忘れず交流することでかけがえのない仲間を作ることが出来るのです。このような機会を与えられていることに感謝し、メンバー同士互いに切磋琢磨することで、会員としての資質の向上を図り、「自分たちのまちは自分たちで創る」という情熱と気概をもって、積極果敢に行動してまいります。
【感動をつなぐまちづくり】
私たちが住み暮らすまちには、素晴らしい歴史・伝統・文化・風土・風習があり、素晴らしい人物を輩出しました。活力ある「つやま」を創造していくためには、それらを良く知り、愛着と誇りをもてる人を増やしていくことが重要であると考えます。そして、「自分たちのまちは自分たちで創る」という情熱と気概をもち一生懸命に行動することにより、仲間や関わる人の心を動かすことが出来ると考えます。津山青年会議所には創立以来、先輩方から受け継がれてきた歴史・伝統・信頼とともにつないできたネットワークがあります。この素晴らしい財産を生かして、英知と勇気と情熱をもって、地域の人、他団体、先輩方とのつながりを強め、愛着と誇りをもつ人の輪を広げてまいります。私たちはその輪を大きく広げるために一体感をもって地域の懸け橋となり、感動をつなぐまちづくり運動を展開してまいります。
【感性豊かなJCづくり】
青年会議所は、「修練」による個人の能力の開発を行うひとづくり、「奉仕」を行い社会への貢献をするまちづくり、これらの運動・活動を通じて培われる「友情」、まさに「青年の学び舎」です。私たちはこの学び舎で仲間と共に切磋琢磨し、青年経済人として必要な感性を磨いてまいります。SNS等コミュニケーションツールの発達で利便性は高まっていますが、私たちはひざを突き合わせて、人と人との交流を大切にしていきます。私たちは豊かな感性を培い、守るべきもの、変えなければならないものを見極め、顕在化している問題だけでなく、潜在化している問題にも着目し、関係諸団体と協働し問題の解決に努めてまいります。一般社団法人津山青年会議所は感性豊かな青年経済人が集い、「志同じうする者」が集う「真に地域に必要とされる団体」となってまいります。
【志をつなげる会員拡大】
「明るい豊かな社会」の実現のためには志同じうする仲間の輪を広げていく必要があります。そのためには、組織の魅力やメンバー一人ひとりの魅力を高めていかなければなりません。私たちは一般社団法人津山青年会議所の存在意義を見つめ直し、ひとづくり、まちづくり運動を積極的に行ってまいります。そして、私たちが一体感をもち、運動・活動に取り組む姿勢を見せることで、青年経済人として成長できる場、本当の仲間が得られる場である青年会議所の魅力を伝えられると考えています。できないのではない、できる方策を考え行動に移し、共に会員拡大に取り組みましょう。
スローガン
三感四恩 ~一体感をもち、未来へ向かって力強く行動しよう!~
基本方針
本年度、津山青年会議所は先輩方が築いてこられた歴史・伝統・信頼、そして想いや情熱を継承し、地域の方や他団体、先輩方とのネットワークをより強め、我々がこの地域に愛着と誇りをもち、その輪を広げることで「明るい豊かな社会」の実現に向け、一体感をもち力強く行動してまいります。
運動方針
- 感謝を育むひとづくり
(謙虚さを忘れず、互いに敬い合い、切磋琢磨し積極果敢に行動しよう) - 感動をつなぐまちづくり
(一生懸命な行動から他人の心を動かし、つながりを広げよう) - 感性豊かなJCづくり
(感性豊かな青年経済人の集う、真に地域に必要とされる団体となろう)